ここでは『 資金管理戦略 』と『資産運用の王道』(長期投資と分散投資)について考えていきたい。
資産運用においても、競輪予想においても、このふたつは予想内容と同じく【最重要】と位置付けて差し支えないくらい大切なことだと言えます。
資産運用については、日本で1990年代後半に日本版金融ビッグバンの火ぶたが切られ、20数年が経過したことになるが、いったいどれほど庶民に浸透したのだろうか。
ふつうの一般個人のひとが、資産運用の基礎をちゃんと身につけ、自分の考えや価値観にもとづく正しい(老後)資金づくりを、いったいどのくらいのひとが実践しているのだろうか。
実際は、まだまだ資産運用の基礎からはかけ離れた状態で資産運用されているケースのほうが圧倒的に多い。そして、販売した人間の意図が見て取れるケースが少なくない。まだまだ販売主導であることが否めないということだ。
さて、ここでは、その資産運用で重要なアウトラインを押さえつつ、それをいかに競輪予想に照らし合わせて活用していくかをテーマに説明していきます。
この記事にあることを実践していくことにより、競輪予想において自分の求める収益を目指していくにあたり、リスクコントロールしながらより自分の考えに沿ったスタイルで運用に取り組んでいけることが期待できます。
本題に入る前に、下のイメージマップを見ておいて欲しい。

そもそも資産運用って【日本編】
冒頭でも触れたが、1990年代後半に日本版金融ビッグバンの火ぶたが切られ、20数年が経過した。現在では、銀行・証券会社・保険会社が入り乱れてリスク性商品を売りまくっている。もっといえば、国の制度「確定拠出年金(日本版401K)」がはじまり、最近では「iDeCo」もはじまった。さらには、サラリーマンの未来の夢である厚生年金の積立金の大部分を株式や外国債券などのリスク資産に既にシフト完了している。
これは、日本全体で国も個人もリスクをドンドンとっていこうという大きな流れなのである。ここでその是非には触れないが、これは未来の話しをしているわけでなく今現在の現実がそうなっているという話しだ。もはや好むと好まざるに関わらず、多くのひとがリスクテイクした状態となっている。
つまり、リスクをとっていく以上、自分自身が資産運用の知識(せめて基礎くらいは!!)を身につけ、リスクと正しくつきあっていく必要があると、わたしは考えています。
得したときは問題ないが、損したときその責任はすべて自分自身にあるのだから。
資産運用の王道(長期投資と分散投資)
資産運用を行っていくとき、基礎となる考え方であり、要となるのは次の2点だ。
- 長期投資
- 分散投資
代表的なものでは、日本のサラリーマンの老後の厚生年金の積立金もこの考え方で実際に運用されている。厚生年金は現在(2019年末)実に170兆円近くのお金があつまっている。サラリーマンの老後のお金なわけだから、単なる思いつきで運用するわけにはいかないのである。今働いてる現役のひとたちが老後を迎えるまで(長期投資)、リスクコントロール(分散投資)しながら大切に運用されているというわけだ。
※ 興味のあるかたは実際にHPを見てください。
https://www.gpif.go.jp/operation/the-latest-results.html
資産運用 – 長期投資
短期的な値上がりや値下がりで単なるマネーゲームとしての収益を狙っていくわけではなく、本質的な収益を目指していく。つまり、ひとつひとつの会社の成長またはその国全体の経済成長による株価での収益、あるいは国債などを購入することによる安定した利息収入での収益を期待しているのである。
よって、本質的な成長とは1か月や1年などという短期間に期待できるものではないので、おのずと長期投資になっていくのである。デイトレーダーのように1日で利益を目指すなどは、もってのほかなのだ。
注意しなくてはならないのは、この長期投資において最終的に収益がでるかどうかは、経済全体が右肩上がりに成長していくということが肝(きも)となってくる。またそれが前提であるとも言えるだろう。

お金を運用していくとなると、単純に毎月積み立てながら運用していくのか、それとも、一時金を一気に運用させていくのかという選択がある。
当然、一気に一時金を運用させるほうがリスクは高い。
一方、毎月一定額ずつ積み立て(年金制度などはこれにあたる)していく場合、「ドルコスト平均法」となっているのでリスクが軽減されるという説明がよく見うけられる。これはこれで、もちろん間違っていないのだが、重要なことは、その「ドルコスト平均法」で積み立てていった結果、5年、10年、あるいは20年経過すると、そこに積み立てられたお金は大きなものになっている。
つまり、結果として積み上げられた大きな一時金が運用されている状態になる。(当たり前のことなのだが)
したがって、
その積み上げられた大きな一時金は、常にリスクにさらされている状態にあるということがいえる。
常にリスクにさらされている状態の、その大きな一時金に対する対処法がふたつあるので続いて考えていきたい。
資産運用 – 分散投資
ひとつめが既に上で挙げている分散投資だ。

分散投資を考えていくとき、ザックリいけば(記事が長くなるので詳細は割愛させて頂く)まずは全体の比率が株式と債券とで、どういった割合かが重要となる。もちろん株式の割合が高くなれば、ハイリスクハイリターンのスタイルということだ。
そこが決まれば、次に図の右側に移り株式のなかでも、さらに為替リスクをとって海外の株式をどの程度いれていくかという話しに移ることができる。
つまり、個別論からはいっていくのではなく、全体のバランスを崩さないように、常に全体をいかにリスクコントロールしていくかが、最優先事項となるのである。
究極的に言えば、ベースとなっているこの考え方はズバリ「資産の保全」である。
現代の日本人にはあまりピンとこないかもしれないが、歴史上において革命や戦乱、動乱、圧政などあったヨーロッパのプライベートバンクの考え方 ”顧客の資産を守る” が根底にあるのだ。
みんな自分自身の資産運用で全体のバランスを考えられているのだろうか。
これを機に、是非自分自身の資産(お金)をしっかりと守っていって欲しいと思う。
資産運用 – テコ入れ
さて、対処法のふたつめ。テコ入れだ。
長期で分散投資に取り組んでいくと、当然、経済は生き物なのでどんどん様変わりする。当然、自分の資産運用の状態も変化していく。自分自身の生活環境も大きく変わっていることだろう。いちばん明確に変化するのは、自分の年齢かもしれない。
そのときの状況にもよるが、少なくとも数年に1度程度はテコ入れしておくのがよい。
ときにそれは明暗を大きく分ける。
資産運用と見据え、競輪予想していく
競輪予想 – 長期投資
この記事の冒頭で、【競輪予想における長期投資】のイメージマップを見て頂いた。
ただ、競輪予想を投資的に考えていくにせよ、賭けていくということは積み立てていくわけではなく、1レース毎においては常にオール or ナッシングの勝負(的中 or はずれ=公営ギャンブル)となる。BET(賭ける)していくイメージを図にしてみたので見て欲しい。

例えば、競輪予想のために準備した元金が10万円あったとする。これで1レースに3%の3,000円をBETしていくとする。これが的中したり、はずれたりを繰り返しながらBETし続けていくことになる。上の図の例でいけば、
- 3,000円 ➤ 3,000円
- 3,000円 ➤ 0円
- 3,000円 ➤ 9,000円
合計9,000円賭けて、合計12,000円の返戻金で、3,000円の儲けというわけだ。
このように、繰り返し賭けていきトータルでプラスになるかどうかが問題だ。
そして、そこで重要になってくる物差しが期待値となる。
もう一度、冒頭のイメージマップを見てみたい。

基本的には、期待値がプラスで高ければ利益がでてくることだろう。
資産運用の長期投資では、経済成長が右肩上がりであるということが重要だったが、競輪予想では期待値がプラスで右肩上がりとなっていることが重要となる。
したがって、競輪予想における長期とは、賭けていくレース数ととらえて、差し支えないだろう。
時間の経過 ≒ 賭けていくレース数
つまり、レースをこなしていくほど長期投資していくということになる。
ただし、押さえておきたいポイント並びに注意点があるので、順に説明していく。
a. 好調の波(複利の効果)
資産運用であれば投資にまわったお金を運用し続ければ、上昇局面にはいったとき、増えた元金全体が、またさらに増えていくという、いわゆる複利の効果まで期待できる。
話しはそれるが、パチンコの経験があるひとはわかると思うが、パチンコ台は確率で出来上がっているが、ひとたび連チャンモード(上昇局面)にはいってしまえば、これでもかというくらいに玉がジャンジャンでてくる。
一方、競輪予想においても確率の波が上振れすることは当然あるだろう。ひとたび的中モードにはいれば財布は閉まらなくなるかもしれない。
もしもこのとき複利の効果を期待するのであれば、賭けていくお金をあげていくほかなくなる。例えば元金全体の3%を賭けていくなどと割合で決めていくということだ。ただ、それだと当然賭ける絶対値が上昇していくので、そのぶんだけリスクは高まると言わざるを得ない。それはここでは推奨しないが、興味のあるひとは「ケリー基準」について調べるとおもしろい結果が得られるかもしれない。
b. 不調の波について
いいときもあれば悪い時もある。当然だ。ここでは確率の波が下振れしたときのことを考えていきたい。
これもパチンコの経験のあるかたは感覚的にわかると思うが、1/99 の甘というカテゴリーの台がある。99回転回せば1回は当たるであろう確率の甘い台のことだ。これが20~30回転毎に当たりがどんどんでる好調台がある一方で、不調な台というのは200回転、300回転させようがウンともスンとも言わないことがある。いわゆるハマり台というやつだ。500回転以上ハマっている台を見かけることもある。(本来の確率の5倍分!)
話しを競輪予想に戻すと、この不調をどのようにとらえればよいか。つまり確率の波が下振れしたときのことだ。ここでは的中率の観点から話しを進めていきたい。
(的中率50%のケース・・・2回に1回は的中する計算)
2回連続でハズレの可能性は・・・50%×50%=25%
3回連続でハズレの可能性は・・・50%×50%×50%=12.5%
5回連続でハズレの可能性は・・・50%×50%×50%×50%×50%=3.125%
可能性としては、3%ちょっとしかない 5回連続ハズレであっても、十分起こり得ることとして想定しておきたい。もしも資金の10%ずつBETしていくなら、5回連続ハズレた時点で、当然だが元金の半分を失うことになってしまうのだ。(一定額ずつBETの場合)
的中率50%あったとしても、これだけの下振れリスクがあるということだ。
ちなみに、3%ずつのBETであるなら、5回連続ハズレても元金の15%しか失わない。(一定額ずつBETの場合)
最後に、的中率ごとの連敗する可能性を簡単に提示しておきたい。

競輪予想 – 分散投資
資産運用が元金全体が常にリスクにさらされているのに対して、競輪予想においては元金全体はしっかりと保全されている。ただ、BET額がオールorナッシングの勝負となるということだ。
つまり、しっかりとリスクコントロールして、期待値や撤退ラインを意識しながら、非常に慎重にBETしていくなら、ある意味それは資産運用よりも全体に対するリスクが低いと考えることができる。資産運用であれば、世界同時不況などに見舞われた場合、アグレッシブな運用スタイル(株式や海外資産多め)となっている場合、資産が一気に半値以下になってしまうケースがふつうに起こり得るのである。
公営ギャンブルではない一般的な資産運用だったとしても、リスクを背負っている以上、その本質はギャンブルと変わることはないのである。
いずれにせよ、リスクコントロールが最重要であることがいえるだろう。
さて、ここでは競輪予想を分散投資の観点から見てみたい。

競輪予想の中身を見ると、大きくわけてふたつ考えられる。
- 本命やそれに近い狙い
- 穴狙い
本命やそれに近い狙いでは、図のように当然的中率はある程度見込めるだろうが、それに見合った適度な配当となることが多い。
穴狙いでは、的中率は下がるだろうが、高配当や超高額配当を期待できる。
上記のふたつのケースで、確率の波の下振れを考えれば、本線狙いのBET額を多めかつ穴狙いのBET額を下げたほうが、資金全体を安定させることができるとわかる。
付け加えるなら、競輪予想していくのは自分自身なので、煮詰まったりマンネリ化してしまったり、結果として悪いサイクルにはいってしまった場合は、競輪予想を中止してしばらくお休みすることもひとつの手かもしれない。
競輪予想 – テコ入れ
上記の【競輪予想における長期投資】イメージ図で撤退ラインを引いているが、これは当然ひとによって違ってくるだろうが、自分で決めた撤退ラインにあっさり届いてしまうようなBET額は、やはり少々多すぎる気がする。的中率と照らし合わせながら、BET額を決めたいところだ。
撤退ラインとは、文字通り撤退するか、もしくは期待値をあげていくため根本から予想の仕方を見直し(テコ入れ)をしなければならないものだと、わたしは考えている。
まとめ
資産運用の観点から、競輪予想を考察していきましたが、いかがだったでしょうか?自分のリスク許容度に見合った打ち方を見つけることができ、かつ期待値がプラスで、トータルで収益をだせるようになることがこの項のGOALだと考えます。
Good Luck!!