経営だったり、セールス(営業)だったり、数字の世界においては、今の全体の数字がどうなっているか、また、その数字は最終的にどのくらいの見込みとなるのか、ある程度把握しておくことが一般的だ。
社長であれば会社全体の数字を見る、考える。営業部長ならば営業部全体の数字、営業マンなら与えられた数字(いわゆるノルマ)の全体の進捗状況を把握しておく。なにかしら、みんなそれぞれ会社から与えられた数字全体に責任を背負っている。そして、数字を含めた全体をマネジメントしていく。
しかしながら、それがなされていないケースも意外と多かったりはする。
これは、一般家庭(個人)においてもそうだ。全資産の運用状態がどうなっているか、借入がいくつかあるならどこにどのくらい利息何%の借入があるのか、資産運用しているなら全体の運用状態はどうなっているかなど全体を把握しておくほうがいいと思われるが、全体がどうなってるかしっかりと把握できてるひとは、意外なほど少ない。
しかしながら、レタスの値段があっちの店が30円安いとか、今もってる会社の株主優待は利回りにして5%だとか、今財布にはいくらはいっているかとか、そういった部分的なことについては、これはけっこう把握できてたりする。
確かに、目まぐるしく状況が変わっていく中で、常に全体を把握して、今の自分の全体の状況を客観的にみることは難しいことだとは思う。
ここでは、競輪予想で全体を把握しやすくなるように、またその全体がどうなっていくのか考えやすいように、いくつかの数字について説明していきたい。
つまり、大局をみることができるようになれば最高の状態ではないだろうか。
ただ、ここではザックリの説明とする。実戦にはいったときのことも想定して、あくまで大きな流れをつかめることを目的に、数学的に深掘りしていくのではなく、基本的なことをおさえるにとどめたい。
合成オッズについて
ひとレースに全部でいくら賭けて、全部でいくら戻ってくるのか。当たり前だがこれが重要だ。そこを踏まえて、合成オッズを考えたい。
①1点で1,000円勝負して、オッズが5倍だったとする
➤当然、的中すれば、賭けたお金が5倍の5,000円になる
②2点で1000円勝負(500円×2)して、オッズが10倍と10倍だったとする
➤どちらかが、的中すれば、賭けたお金が5倍の5,000円となる
③4点で1,000円勝負して、50倍に100円+25倍に200円+25倍に200円+10倍に500円=合計1,000円賭けたとする。
➤いずれで的中しても、賭けたお金が5倍の5,000円になる
上の①②③ともに、全部で1,000円賭けて、5,000円になって戻ってきている。同じ結果になるのだ。
つまり、②の2点(10倍と10倍)の合成オッズは5倍、
また、③の4点(50倍と25倍、25倍、10倍)の合成オッズも5倍ということである。
合成オッズとは、複数の点数に賭けたときの複合オッズのことで、上の例のように返戻金が等しくなるように賭けるお金を分配し、そのときの払戻しされる倍率のことを言います。(上記例①②③なら、1,000円→5,000円なので、どれも合成オッズは5倍!)
計算方法など含めて詳しく知りたい方は、「合成オッズ 計算」検索でたくさん記事があると思います。
的中率について
言うまでもなく、的中する確率のことです。
1日10レース勝負して、3レース的中したなら、的中率30%
月に100レース勝負して、35レース的中してるなら、的中率35%
年間1500レースこなして、600レース的中してるなら、的中率40%
補足するなら、
本命を狙っていけば的中率は上がってきますし、穴を狙っていけば的中率は下がらざるを得ません。
期待値について
ザックリ言って、
これから賭けていくお金に対して、戻ってくるであろう見込みの金額の割合です。
これを上記であげた”合成オッズ”と”的中率”のふたつを踏まえて考えていきたい。
合成オッズ5倍を10レース中、2レース(的中率20%)仕留めることができると仮定して、1レース1,000円ずつ賭けたなら、
➤10,000円(1,000円×10R)賭けて、10,000円(5,000円×2R)戻ってくる計算。
➤10,000÷10,000=1(回収率100%)
次に、同じ条件で3レース的中(的中率30%)できるなら、
➤10,000円(1,000円×10R)賭けて、15,000円(5,000円×3R)戻ってくる計算。
➤15,000÷10,000=1.5(回収率150%)
このように、期待値1で±0のトントン。1.5ならけっこう儲かっている。
つまり、期待値が1を超えていれば(期待値がプラスなら)、基本的に儲かると考えることができます。
ただし、注意しなければならないことがいくつかありますので、そのひとつを次に考えていきたいと思います。
大数の法則について
これはサイコロを例にとると考えやすいだろう。
1の目がでる確率は、もちろん1/6だ。1÷6=0.166…(およそ17%)
ケース①5回サイコロを振って、1の目が0回、つまり1度も出ない、
➤0÷5=0(0%)
ケース②5回サイコロを振って、1の目が2回でたら、
➤2÷5=0.4(40%)
①②の両ケースとも十分起こり得ることは容易に想像がつく。
しかしながら、本来の確率である17%からは、①0%も②40%も大きくかけ離れてしまっている。
また、これも創造できると思うが、サイコロを振る回数を100回、あるいは10,000回と繰り返していけば、1の目のでる確率は、本来の1/6(17%)に徐々に近づいていくのである。
つまり、確率とは短期的には偏りが起こりやすい(上振れor下振れ)。逆に、長期的にみていくと本来の確率に収束していくのである。これを大数の法則という。
再現性について
なんとか期待値が1を超える状態(期待値がプラスの状態)をつくれたとする。月間100レースを通して、あるいは、年間1500レースを通して、検証の結果、見事クリアもしていたとする。
では、その検証結果は次の月も、あるいは、次の年も、再現可能だろうか。
もちろんまったく同じ数字となることはないだろうが、再現できるように、または、よりよい結果となるように、競輪予想の精度を磨くことが要求される。
再現性のある予想方法ならば、結果も自分の求める予測に近づける可能性が高くなるのではないだろうか。
まとめ
上記の5つの点を考えた結果、まとめるとこういうことではないか。
どうやら、競輪予想していくにあたり、期待値が1を超える状態(期待値がプラスの状態)で、長期的な視点で取り組んでいけば、基本的には、大局的にみていい流れに乗っているといえそうだ。
当然のことながら、我々は神ではないので、的中させようと努力することはできても、レース結果そのものをコントロールすることはできない。
いいときもあれば、悪い時もある。
特に注意しておきたいのは、悪いときではないだろうか。大数の法則で考えたとき、たくさんのレースをこなして本来の的中率に収束するにせよ、短期的な偏りがもしも悪いほう(下振れ)に偏ってしまったらどうだろうか。悲惨な状態になることは、容易に想像がつく。
以上が、
競輪予想における合成オッズと期待値をザックリ理解する、をまとめた記事となります。