このグランプリは、基本的に脇本のカケイチだと考えられるが、そのほかの展開も想定しておきたい。
『中川の単騎逃げ』
単騎の郡司、平原は位置取りも心得ているので、単騎で大ガマシなどは考え難い。
しかし、中川の単騎逃げはあり得る。
実際、今年の2月、G1全日本選抜決勝において、関東吉澤の先行1車の番組で、単騎逃げを敢行して、逃げ切って優勝している。
あの日、中川は関東4番手からを考えていたようだが、ほか選手がその位置をすんなり譲ってくれるわけもなく、外並走で下げようか迷ったその瞬間、先行態勢の吉澤が流したのを見逃さず、腹を括って先行勝負したようだ。
おそらく逃げたその瞬間まで、中川自身が自分が逃げるとは思ってもなかったはずだ。
そして、G1決勝のメンバーの中で、それで逃げ切れてしまうのが、中川の脚である。
グランプリの舞台、皆、慎重にならざるを得ない。
中川は、あの日と同じ1枠。
チャンスはある。
ただひとつ違う点は、あの日、脇本も新田も、世界を舞台に戦う競技者はいなかった。
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