このグランプリは、基本的に脇本のカケイチと考えられるが、そのほかの展開としてもうひとつだけ考えられる。
『清水先行』
単騎勢3人が中国ラインに続いた場合、実質5車ラインとなる。そうなら、そのとき脇本が8番手にいる可能性が高いと思われるが、脇本の仕掛けがあまりに遅ければ、そのまま先行、ないしは、脇本の仕掛けに合わせて、清水が踏み込む。
脇本とはいえ、8番手からのカマシでは、清水に完全に合わせられると苦しいはず。
その展開では、後方で脚を貯めている新田の捲りが最終的には飛んでくるはずだが、、、
この展開においては、
大チャンスの松浦はどうするのかが最大のポイント。
昨年のサマーナイトフェスティバル準決勝。
あの日、わたしは松浦が番手捲りを打つと予想した。
結果、松浦は逃げる太田を番手捲りし、穴があいた。わたしは個人的には、かなり稼がせてもらったが、番手捲りされてもなお4着に粘りきった太田はさぞ悔しかっただろう。
グランプリから話しはそれるが、あの日は、いろんな意味でターニングポイントだった。
あれから間もなく、太田竜馬の快進撃が始まった。一方、松浦もG1G2では穴選手に過ぎなかったが、いまこうしてグランプリに乗っている。
特に松浦は、中四国ラインを大切にする走りが顕著にレースに現れた。
極め付けが先の競輪祭だ。ギリギリまで仕事をして、清水を2着に残しての競輪王だ。
話しを戻そう。
清水先行なら、番手松浦はどうするのか。
清水を番手捲りしてタテに踏むのか。
それとも、捲り上げてくる新田をヨコを使ってブロックするのか。
そうなら、松浦の後ろにいるはずの、平原ないしは郡司に内を突かれることになるだろう。中国ラインに3番手を固めてくれている選手はいないのだ。
去年のサマーナイトフェスティバル準決勝のあの日。
中四国ラインは、太田-松浦の2車だった。
奇しくも、2車で逃げる太田を番手捲りした松浦の後ろにいたのは、平原であった。